主「おはよ」
レアンドル「本日は男性体なのですね、お召し物をご用意します」
主「よろしく」
レアンドル「……主、一つ聞いてもいいでしょうか」
主「なに?」
レアンドル「主は、その、男性体と女性体、どちらが本当の姿なのでしょうか?」
主「んー……どっちもかな」
レアンドル「両方……」
主「うん。こっちの姿は、人間だった頃の、一番楽しかった時の自分をその都度イメージしてるんだ。んで、イメージだからその時私が男の気分なら男、女の気分なら女ってなる」
レアンドル「そう、なんですね……」
主「あ、でも見え方だけで中身は違うよ。今の自分は、人間の時とは全然別の生き物だと思う。自分のことを『人外』って呼ぶのはおこがましいけど。こんなに長く生きてるのに、自分が一体なんなのかよくわからないんだよ」
レアンドル「主……」
主「ま、そんな話はいいや。朝ご飯食べよー」
レアンドル「はい」
主「今日は何?」
レアンドル「キッシュとガレットですよ」
主「おおーやった〜」
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ラウ「主、おはようござい、ま………」
主「………ん、おはよ」
ラウ「ほ、本日は男性体なん、です、ね」
主「おう、なんでこっち見ないの?」
ラウ「いやあの、服を……着て頂きたく…」
主「なんで君は女性体の私より男性体の私の裸に恥ずかしがるの?逆じゃない?ん?」
ラウ「あ、あああっ、ち、近い近い!」
主「んふふふーあーラウちっちゃいなぁ」
ラウ「きゃーーーっ!」
主「あー癒されるぅ……」
レアンドル「主、ラウをからかうのはやめてあげて下さい。服をお持ちしました」
主「ありがとーよいしょ」
ラウ「あう………あうう………」
レアンドル「ラウは潜在的に精神が女性寄りなのかもしれませんね」
主「ああ、なるほどね」
レアンドル「なので、可愛いのはわかりますが、程々にしておいて下さい。女性に無体をする男は嫌われますよ?」
主「あはは、はーい」
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主「レア」
レアンドル「何ですか、あr!?……ン……ふ……」
主「ん………ちゅ………はー、動揺しないなぁ」
レアンドル「……男性体の主はタラシですね」
主「そぉかなぁ、つってこの体であんま女の子と会わないからわかんないんだけど」
レアンドル「まあいいでしょう。用件はなんでしょうか?」
主「いや、なんにも?強いて言うならもう一回キスしたい」
レアンドル「お断りします」
主「えーケチ」
レアンドル「そういう問題ではないです」
主「けちんぼう」
レアンドル「……はぁ……まったく……」
主「えへへ〜この体でレアとキスするの面白いんだよなぁ、目線が合うから」
レアンドル「…………女性体の日に覚悟しておいて下さいね」
主「えっ」
レアンドル「なんでもありません」