吾輩は主である。004

主「おはよ」

レアンドル「本日は男性体なのですね、お召し物をご用意します」

主「よろしく」

レアンドル「……主、一つ聞いてもいいでしょうか」

主「なに?」

レアンドル「主は、その、男性体と女性体、どちらが本当の姿なのでしょうか?」

主「んー……どっちもかな」

レアンドル「両方……」

主「うん。こっちの姿は、人間だった頃の、一番楽しかった時の自分をその都度イメージしてるんだ。んで、イメージだからその時私が男の気分なら男、女の気分なら女ってなる」

レアンドル「そう、なんですね……」

主「あ、でも見え方だけで中身は違うよ。今の自分は、人間の時とは全然別の生き物だと思う。自分のことを『人外』って呼ぶのはおこがましいけど。こんなに長く生きてるのに、自分が一体なんなのかよくわからないんだよ」

レアンドル「主……」

主「ま、そんな話はいいや。朝ご飯食べよー」

レアンドル「はい」

主「今日は何?」

レアンドル「キッシュとガレットですよ」

主「おおーやった〜」

――――――――

ラウ「主、おはようござい、ま………」

主「………ん、おはよ」

ラウ「ほ、本日は男性体なん、です、ね」

主「おう、なんでこっち見ないの?」

ラウ「いやあの、服を……着て頂きたく…」

主「なんで君は女性体の私より男性体の私の裸に恥ずかしがるの?逆じゃない?ん?」

ラウ「あ、あああっ、ち、近い近い!」

主「んふふふーあーラウちっちゃいなぁ」

ラウ「きゃーーーっ!」

主「あー癒されるぅ……」

レアンドル「主、ラウをからかうのはやめてあげて下さい。服をお持ちしました」

主「ありがとーよいしょ」

ラウ「あう………あうう………」

レアンドル「ラウは潜在的に精神が女性寄りなのかもしれませんね」

主「ああ、なるほどね」

レアンドル「なので、可愛いのはわかりますが、程々にしておいて下さい。女性に無体をする男は嫌われますよ?」

主「あはは、はーい」

――――――――

主「レア」

レアンドル「何ですか、あr!?……ン……ふ……」

主「ん………ちゅ………はー、動揺しないなぁ」

レアンドル「……男性体の主はタラシですね」

主「そぉかなぁ、つってこの体であんま女の子と会わないからわかんないんだけど」

レアンドル「まあいいでしょう。用件はなんでしょうか?」

主「いや、なんにも?強いて言うならもう一回キスしたい」

レアンドル「お断りします」

主「えーケチ」

レアンドル「そういう問題ではないです」

主「けちんぼう」

レアンドル「……はぁ……まったく……」

主「えへへ〜この体でレアとキスするの面白いんだよなぁ、目線が合うから」

レアンドル「…………女性体の日に覚悟しておいて下さいね」

主「えっ」

レアンドル「なんでもありません」

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