ラウ「主、今日の夜は、あの、お話があるのですが」
主「お、なに?」
ラウ「その、お、大人になる方法についてです」
主「大人に?どうして?」
ラウ「ぼ、僕は早く大きくなりたいんです」
主「ふむ?」
ラウ「それで、主と同じ歳になった時に、主と釣り合うような立派な従者になりたいんです」
主「ラウ……」
ラウ「だ、だからお願いします、主、僕に大人のキスを教えてください!」
主「……」
ラウ「……」
主「……」
ラウ「…………あ、主?」
主「………ごめん、ラウ」
ラウ「えっ……いえ、やっぱり僕じゃ」
主「私も知らない」
ラウ「えっ」
主「でも大丈夫!なんとかしてあげる!レアンドルにお願いして私が『大人のキス』を教えてもらってくるよ!」
ラウ「ちょ、ちょっと待ってください!レアンドルさんに!?」
主「うん!」
ラウ「あ、あ、あ、あ」
主「じゃあ行ってくるね!」
ラウ「あ、あるじ〜……」
バン!とレアンドルの部屋に突撃する主
レアンドル「うわびっくりした…どうしたのですか?主」
主「レアンドル、私に大人のキスを教えて〜」
レアンドル「……………説明を求めます」
主「ラウが早く大きくなって立派な従者になりたいんだって、それで私に教わりに来たけど、私も知らないからレアンドルに教わろうと思って!」
レアンドル「……」
主「いい?」
レアンドル「……いいですよ」
主「わーい!」
レアンドル「ただし、俺も教えられるほど経験豊富ではありませんので、その点はご容赦下さい」
主「だいじょぶ!」
レアンドル「では、まずは体験していただきますね。……目を閉じて、主」
主「うん」
レアンドル「では、口を少し開けて下さい」
主「こう?」
レアンドル「そう、そのまま……失礼します」
主「ん……っ!?」
レアンドル「………」
主「ん……っ……んんっ!?」
レアンドル「……」
主「んんんんんん……!!」
レアンドル「……っはぁ……はい、終わりましたよ。これで、大人になった気がするでしょう?」
主「……はぁ……はぁ………」
レアンドル「あと……ラウはまだ子供なので、あまり急ぐ必要は無いと思いますが」
主「う、うん、そうだよね……」
レアンドル「……」
主「……」
レアンドル「……」
主「……レアンドル、もう一回……」
レアンドル「……主」
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コンコン ガチャ
ラウ「主、夜分に失礼します。ちょっと――」
レアンドル「ラウ!逃げろ!」
主「ラーウー!」
ラウ「え!?な、どうしたんですかレアンドルさんその格好…って、な、あ、主!?ひゃぁ!主、やめっあっ!」
主「ひゃーすべすべーもちもちーーラウはかわいいねーー」
ラウ「ぬ、脱がさないで!やあああん!!」
レアンドル「………ラウ、犬に噛まれたと思って、強く生きろ」
次の日、二日酔い主と怒りラウ。
ラウ「あ、あるじぃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
主「うわあああああ!ラウごめんなさいいいいい!」
ラウ「許しません!」
主「もう飲まないから!」
ラウ「絶対嘘だ……」
主「……」