吾輩は主である。003

ラウ「主、今日の夜は、あの、お話があるのですが」

主「お、なに?」

ラウ「その、お、大人になる方法についてです」

主「大人に?どうして?」

ラウ「ぼ、僕は早く大きくなりたいんです」

主「ふむ?」

ラウ「それで、主と同じ歳になった時に、主と釣り合うような立派な従者になりたいんです」

主「ラウ……」

ラウ「だ、だからお願いします、主、僕に大人のキスを教えてください!」

主「……」

ラウ「……」

主「……」

ラウ「…………あ、主?」

主「………ごめん、ラウ」

ラウ「えっ……いえ、やっぱり僕じゃ」

主「私も知らない」

ラウ「えっ」

主「でも大丈夫!なんとかしてあげる!レアンドルにお願いして私が『大人のキス』を教えてもらってくるよ!」

ラウ「ちょ、ちょっと待ってください!レアンドルさんに!?」

主「うん!」

ラウ「あ、あ、あ、あ」

主「じゃあ行ってくるね!」

ラウ「あ、あるじ〜……」

バン!とレアンドルの部屋に突撃する主

レアンドル「うわびっくりした…どうしたのですか?主」

主「レアンドル、私に大人のキスを教えて〜」

レアンドル「……………説明を求めます」

主「ラウが早く大きくなって立派な従者になりたいんだって、それで私に教わりに来たけど、私も知らないからレアンドルに教わろうと思って!」

レアンドル「……」

主「いい?」

レアンドル「……いいですよ」

主「わーい!」

レアンドル「ただし、俺も教えられるほど経験豊富ではありませんので、その点はご容赦下さい」

主「だいじょぶ!」

レアンドル「では、まずは体験していただきますね。……目を閉じて、主」

主「うん」

レアンドル「では、口を少し開けて下さい」

主「こう?」

レアンドル「そう、そのまま……失礼します」

主「ん……っ!?」

レアンドル「………」

主「ん……っ……んんっ!?」

レアンドル「……」

主「んんんんんん……!!」

レアンドル「……っはぁ……はい、終わりましたよ。これで、大人になった気がするでしょう?」

主「……はぁ……はぁ………」

レアンドル「あと……ラウはまだ子供なので、あまり急ぐ必要は無いと思いますが」

主「う、うん、そうだよね……」

レアンドル「……」

主「……」

レアンドル「……」

主「……レアンドル、もう一回……」

レアンドル「……主」

――――――――

コンコン ガチャ

ラウ「主、夜分に失礼します。ちょっと――」

レアンドル「ラウ!逃げろ!」

主「ラーウー!」

ラウ「え!?な、どうしたんですかレアンドルさんその格好…って、な、あ、主!?ひゃぁ!主、やめっあっ!」

主「ひゃーすべすべーもちもちーーラウはかわいいねーー」

ラウ「ぬ、脱がさないで!やあああん!!」

レアンドル「………ラウ、犬に噛まれたと思って、強く生きろ」

次の日、二日酔い主と怒りラウ。

ラウ「あ、あるじぃ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

主「うわあああああ!ラウごめんなさいいいいい!」

ラウ「許しません!」

主「もう飲まないから!」

ラウ「絶対嘘だ……」

主「……」

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