森の古城にて

森の中を歩いていると、古ぼけた城を見つけた。
前の主人の魔法が残っているのか、人の気配を察して僕らの世話をし始める城。
「不思議。誰の気配も無いのに」
「館自体に歓迎されているんだ。古い魔法だよ」
危険はない、ということで僕らはこれ幸いと今日の宿をここに決めた。
「部屋から出てもいいけれど、あまり遠くには行かないようにね」
「はーい」
という会話もしたのだけど……。
案の定、ユウが迷子になった。
僕があちこち探すと、彼女は寝室のベッドの上で眠ってしまっていた。
天蓋付きのベッドですやすや眠る彼女は可愛かった。
でも、今度からもっとちゃんと、言い聞かせなければいけないな。
ほんと……見つかって良かった。

それ以降の日記は、破られていて読めない。

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